空のオルゴール
中島 らも
最近TVの番組でよくマジックやってるのを
よくもあんなアイディアがよく思いつくもんだねぇと
ほんま感心しながら見ている一視聴者です。
うちが覚えてる限り大体の人が言うてると思うの。
「タネ明かしをしたら”なーんだ”って思いますよ」って。
それでも思いついただけでもすごいやんか。
この本の中にロベール・ウーダンという
近代奇術の父と呼ばれる奇術師のお話が出てくるのだけど
彼はアルジェリアで起こった反乱を奇術で鎮圧したっていう
想像も出来ないような事をやった人で
本作では彼の自叙伝にあるその時の種明かしが読めるのですよ。
ほんとに”なーんや”って思ってしもた。
全く持ってしょっぱなから脱線な訳ですが
お話は?というと奇術師vsファンダメンタリストに雇われた殺し屋という
理不尽な世界での生死を賭けた対決。
そういえば、らもさんが大好きだという山田風太郎氏の忍法帖シリーズ
(どれだか忘れたけど)の設定をオマージュしたような小説、
みたいなことを自身の著書(たぶんエッセイ)で言うてはりました。
奇術、格闘技など、このお話に出てくる設定の細かさは
らもさんの小説を読むたびに
”めっちゃ勉強してはるんやろなぁ”
と毎度感嘆してるんやけどもう読めないんだよねぇ。
後、町田康氏のあとがきはお見事としか言いようのないです。